こんにちは。理学療法士の前ちゃんです。
JCCAコアコンフェスタ鹿児島に参加してきました。普段は聞けないコアコンの応用的なエクササイズや新しいコアコンエクササイズなど、盛りだくさんの内容でした。
最も興味深かったのがフィジカルトレーナー中野ジェームズ修一さんのセミナー。テーマは医師に運動しなさいと言われたクライアントへの向き合い方〜実践編〜。
セミナーでは糖尿病と変形性膝関節症の運動指導についてわかりやすい解説。実際のエクササイズも行いました。
そこで今回は、糖尿病と運動療法のポイントについてかんたんにまとめます。
コアコンフェスタセミナー資料と中野ジェームズ修一さんの書籍、医師に運動しなさいと言われたら最初に読む本を参考にしています。
目次
糖尿病とは?
すい臓のβ細胞が何らかの要因で破壊されインスリンの分泌が枯渇し血液中のブドウ糖が細胞内に取り込まれず、血糖が高い病態を1型糖尿病といいます。
すい臓からインスリンの分泌が低下したり、過食・運動不足・肥満・ストレス・加齢によってインスリンの働きが低下したりして、血糖が高い病態を2型糖尿病といいます。
血糖値とは?
血糖値は健康診断などの血液検査で簡単に検査できます。ただし、日本の健康診断では空腹時血糖が診断基準となっています。
空腹時血糖が正常値でも食後に糖尿病の人と同じレベルまで高くなる場合があります。この場合は糖尿病の初期段階かくれ糖尿病といわれています。
ブドウ糖とは?
血液中のブドウ糖は、すい臓から分泌されたインスリンの働きにより各細胞(肝臓・筋肉・脂肪細胞など)に取り込まれます。
血糖値が高いとどうなるの?
血液中のブドウ糖はとてもあらい粒子です。血液中の糖が多すぎると血管の壁にぶつかり傷つけます。傷ついた血管は硬くなったり、細くなったり、つまりやすくなります。この状態を動脈硬化といいます。
動脈硬化とは?
血管はゴムのように伸び縮みすることで血流の圧に耐えられるようにできています。血管の柔軟性が低下すると血流の圧に耐えられず血管は破裂します。脳出血・くも膜下出血・眼底出血が代表的です。
また、血管が狭くなり血栓(血液の塊)が詰まることがあります。脳梗塞・心筋梗塞・大動脈瘤が代表的です。
血糖値を下げるには?
食事療法は、特別な食事は必要ありません。過食・偏食をせず、適正な食事量を規則正しくとる食習慣が大切です。
血液中のブドウ糖の約75%は筋肉(遅筋)で消費されます。定期的な運動、特にウォーキングなどの有酸素運動や太もも周辺の遅筋繊維(赤筋)の筋力トレーニングにより血糖は一時的に下がります。
定期的な運動を継続的に行うと、血糖値を下げるインスリンの働きがよくなり、血糖値が下がりやすい体質になります。
引用:医師に運動しなさいといわれたら最初に読む本
効果的な運動指導
- 運動のタイミング
- 具体的な糖の消費方法
- 過剰なストレスを与えない
運動のタイミング
血糖値のピークは食後60分以内に達するといわれています。したがって食後60分以内を目安に大きな筋肉を沢山動かす運動がおススメです。
- 食後のウォーキング
- 食後の筋力トレーニング
具体的な糖の消費方法
運動嫌いやウォーキングがなかなか続かない方には、屋内で簡単にできるエクササイズがおススメです。次の6つのポイントをおさえておきましょう。
- 多数の大きな筋肉を同時に動かす
- 短時間でより多くの糖を消費できる
- 同じ関節・筋肉に負荷をかけすぎない
- 畳半分程度のスペースでできる
- その場から動かないでいつでもできる
- 筋力アップにもつながる
引用:コアコンフェスタセミナー資料(※セミナー内で資料の引用を許可されました)
過剰なストレスを与えない
血糖値をさげるために高負荷のエクササイズで関節や筋肉を傷めてしまい動けなくなった。又は、運動が続かない。では意味がありません。
足腰への負担の少ないサイクリングや水中での歩行がおススメです。
空腹時は低血糖症状の危険がありますので避けましょう。また、脱水症状になりやすいのでこまめや水分補給も欠かせません。
中野氏おススメのオリジナルエクササイズ
- 両脚リズミカルスクワット
- 前後リズミカルスクワット(右脚前)
- リズミカルニーアップ(右脚前・左膝アップ)
- スプリット&ニーアップ(右膝前・左膝アップ)
- 両脚リズミカルスクワット
- 前後リズミカルスクワット(左脚前)
- リズミカルニーアップ(左脚前・右膝アップ)
- スプリット&ニーアップ(左脚前・右膝アップ)
- 交互スクワット&ニーアップ
それぞれ10回を2セット。
引用:医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本
書籍には、読者特典としてスマホ・Webで見られるエクササイズ解説動画があります。
本当はこわい糖尿病
糖尿病で一番困るのは視覚障害。糖尿病の合併症である糖尿病網膜症により視力低下や視野狭窄が起こります。末期になると失明する場合もあります。
次に、合併症と感染症のリスク。高血糖により免疫力が落ちるため傷が化膿しやすく、手術後には感染症を起こしやすくなります。
水虫が原因で足を切断するケースもあります。
まとめ
中野氏のセミナーを受講して、疾病の理解と適切な運動指導、運動処方はとても重要だと痛感しました。
また、100歳のご高齢の方でも適切な運動指導で筋力がつく、という事例には衝撃を受けました。衝撃と感動で、中野氏の書籍を3冊も購入してしまいました。
この記事でセルフディショニングについて興味をもっていただけたら最高に幸せです。最後までご覧いただきありがとうございました。